CASE STUDY

成功するAI導入事例

株式会社 日立ソリューションズ

事 業 内 容:システムインテグレーション事業を中心した日立グループの情報通信分野の
      中核企業
本部所在地:東京都品川区東品川四丁目12番7号
代表取締役:星野 達朗 会 社 設 立:1970年9月21日

http://www.hitachi-solutions.co.jp/

株式会社 日立ソリューションズ
スマートライフソリューション事業部
ライフスタイルイノベーション本部 MSサービス部
北林 拓丈(グループマネージャ)
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アイフォーカス・ネットワーク株式会社
川口 岳(営業本部長)
mission AI導入に対する取り組み
川口
いま御社ではAIを活用してどのような取り組みをされているのですか?
北林
私たちには世の中の働き方を変える、ITを活用した生産性の向上という社会的ミッションがあると思っています。まずは社内での働き方改革を進め、そこで生まれたサービスやノウハウをワークスタイル変革ソリューションとして世の中に提供していくことになりました。
川口
いつ頃からされているのですか?
北林
現在のスタイルで本格的に開始したのは2015年からだと思います。日立グループ内での合併・再編により、我々は産業、流通、通信の分野で、よりスピーディなシステム開発と新しい製品、サービスを世に出していくというミッションが再定義されました。その中のひとつがワークスタイル変革ソリューションです。ITの活用により、どこでも働けるプラットホーム作りを進めています。
川口
グループ全体でそのような取り組みをされているのですか?
北林
そうですね、グループ全体では、さらなるスピード化も求められています。取り組みには、ITサービスの開発のようにトップダウンで行うものもあれば、現場レベル、各事業部単位で行うムダ取りワーキングもあります。
川口
その中でITの活用に対する課題もありますか?
北林
我々の開発したAIアシスタントサービスは運用から1年ぐらい経ちます。当初は自社100名ぐらいの試行から始めて、現在では約2000名が使っています。しかし、すべての社員が活用できているかといえばそうでありません。もっと気軽に日常使いできるようコンテンツをさらに充実させ、スピーディに様々なニーズに応えるようにしたいと思います。また当社はお客様先に常駐するケースも多いため、さらなる周知も図っていきたいです。
川口
やはりデータは多いほど良いですか?
北林
FAQに関していえば、情報は多いほど良いと思います。疑問が解決されなかった時の利用者のがっかり度は結構大きいですから。しかし、一方でデータが多すぎるとメンテナンスの問題も生まれます。情報の更新や問い合わせ担当者の変更など、情報の鮮度を常に保たないと一時的に情報を増やしても使われるものにはなりません。またAIアシスタントサービスは、FAQだけでなくスケジュールや企業に関する情報、セールスフォースのようなSFAにアクセスするなど、他システムとの連携もリアルタイムに行っているので、そちらも増やしていく努力は必要ですね。システム的な話になりますが、データ増加によるいわゆる誤発火、間違った動きをいかに抑えるかも大事なポイントです。そのためには重要度、使用頻度による情報の取捨選択も大切であると考えています。
hardship エンジン選定までの苦労
川口
どちらで私たちの製品を知ったのですか?
北林
AIアシスタントサービスの開発にあたりエンジンの選定が必須でしたので、社内の別部門から情報をもらい、いくつかトライしましたが採用には至りませんでした。そこでさらに調べていき、御社のQlofune(クロフネ)に辿り着きました。決定には、社内の既存のシステムと連携、会話の制御、シナリオが柔軟に定義できるAIプラットホームであるところが大きかったですね。採用にはいくつかの条件があり、単なる問い合わせ応答だけではダメで、我々で新たにプラスαのサービスを組み合わせて世の中に提供できる仕組みであることやコスト面など、それらをクリアしたのが御社でした。開発当初からエンジンが決まっていれば良かったのですが、これについては、まずは進めたいという気持ちで企画先行の形でした。
川口
御社でこの進め方は珍しいですよね?
北林
そうですね、通常は検討プロジェクトで確認したものを提案するスタイルですが、AIについては役員も本部長もやらなければという強い気概を持っていたので、このような進め方ができました。しかし、エンジンが決まらず開発も進まないので、打ち切り寸前になった時期もありました。本当にできるのだろうかと不安にもなりました。この時はとても辛かったですね。
川口
AIという分かりにくいものを社内でご説明するのにご苦労はありましたか?
北林
我々の目的は社内導入でなく、世の中にリリースしていくことがゴールであり、また働き方改革に取り組むIT企業でもありますので、会社としてAIに対する理解、導入するモチベーションはありました。それは追い風でしたね。もちろんコスト的な制約などはありましたが。
川口
コスト的な制約もクリアしつつ成果も出さなくてはならない。多くのご担当者はそこで苦労されていますね。
北林
他社もそうだと思いますが、やはりスモールスタートを迫られるケースが多いですね。そこで一定の実証なり成果を出さなければなりませんが、成果が出るまでに時間がかかります。当社ではRPAも導入していますが、RPAであれば業務を自動化する削減効果も分かりやすく、投資もしやすいのですが、AIではそもそもその実証がありませんし、育てていくとこうなりますという試算モデルもありませんので、そこの説明がとても難しいです。ですのでAI導入は部門をフォーカスし、特定した利用シーンを絞り込み、ここで使えたから他部門でもトライするという導入スタイルになってきます。欧米での事例を見ても、全社で汎用的に入るAIというものは少ないようです。
川口
私も先日、シリコンバレーでAIを活用されている企業の方とお話をしてきたのですが、その進歩のスピードは加速し、すでに世界は開発でなく、課題解決にフォーカスしていました。スピーディな課題解決を図る適材適所のAIのチョイス。「AIの活用」というフェーズが、さらに加速していると感じました。そこから見ても御社は実証を伴いながら、部門特化でとりあえず進め、それをスケールしていくという手法は、いまのトレンドに合致しているなと思います。
future その先、未来への展望
川口
改めて御社の将来的な展望をお聞かせいただけますか?
北林
将来的にはAIのグローバル対応ですね。日本がグローバル企業となってきている中、海外の拠点とのやりとりにおいても活用される製品でなくてはと思っています。御社のAIエンジンを選んだひとつの理由が、特殊な日本語という言語についての高い対応力でしたが、今後は日本語以外についてもシームレスに対応したいと思っています。
川口
私たちの製品は、米国、欧州、アジアのFAQや検索など、海外での利用実績もあり、多言語への対応はむしろ得意な分野です。スキームとしては、根幹となるエージェントは日本におき、現地の辞書のみを各国のセンターに置いて、それをクラウドで操作します。日本語以外は言語モデルをあえて細かく設定しないことで、辞書の入れ替えだけで多言語に対応できるのが弊社の強みです。それは言語辞書のみで言葉を理解するのではなく、オントロジーも含めての理解のため、それが可能となっています。
北林
日本語は言い回しなど言語に対する判定がとても厳しく、その受け応えによってユーザーの印象が大きく変わってしまいます。
川口
私たちの製品は、導入後、各社で変えたいというニーズ、流動性に合致します。しかし、それは導入する会社の開発体制、開発スキルも問われるという側面も出てきます。御社の導入が成功したのは、御社の高い開発スキルが背景にあったからだと思います。これからも我々は御社が自由に開発できるようなパーツを様々なスタイルでご提供し、バックアップしていければと思っております。
対談から 〜成功への学び〜
  • AIの導入目的を明確にすること。そこから逆算し、どんな機能が必要なのかを事前にしっかり把握する
  • 成果が出るまでに時間のかかるAIでは、企画先行でとにかく動かし始めることが重要。そこには導入への理解と気概が欠かせない
  • 既存のシステムとの連携も念頭に置かなければ、AIの効果的な活用は難しい
  • 当初から将来の展望を見据えたAIエンジン選びをすること。グローバル展開を考える時、そこが大きな壁となる