CASE STUDY

成功するAI導入事例

エヌ・デーソフトウェア株式会社

事 業 内 容:山形県南陽市に本社を置き、福祉・介護関係のソフトウェア開発及び販売を行う
本部所在地:山形県南陽市和田3369
代表取締役:佐藤 廣志
会 社 設 立:1979年9月

http://www.ndsoft.jp/

エヌ・デーソフトウェア 株式会社
ソリューション事業部販売推進グループ 営業企画ユニット
榎木 智樹(マネージャー)
板坂 智裕(ICT事業部 課長)
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アイフォーカス・ネットワーク株式会社
川口 岳(営業本部長)
mission AIシステム開発の必要性
川口
改めて御社の事業内容からお聞かせいただけますか?
榎木
私たちはアプリケーションを通じた介護事業所のIT化の支援、サポートをしている会社です。業界シェアは、介護保険の対象になる介護事業所と障害者施設で上位2社には入っており、おおよそ20数%程度です。
川口
介護の現場はいまどんな状況なのですか?
榎木
やはり大変というイメージがあり、職員不足の状況ですね。そのため職員の事務負担をいかに軽減し、本来の介護に時間を充てるかが現場の課題となっています。私たちは、その事務負担の軽減をアプリの開発によってサポートしています。
川口
AIを導入してから4年、検討期間も含めれば5年となりますね。
板坂
アプリの使い方など介護施設から私たちのコールセンターには、多くの問い合わせがきます。その負担軽減がAI導入のきっかけです。具体的には、FAQでよくある問い合わせに関しては、機械対応することでコール数を減らす努力をしています。
川口
導入時、他社も比較検討されましたか?
板坂
はい。価格差、機能差、システム構築の工数、道筋まで考えて選びましました。当社ではJavaでプログラムを作るナレッジはありましたので、そこでAIを一緒に構築していけるというのが決め手となりました。
川口
介護事業所には既に御社のアプリが入っている状態で、AIの機能を付加していかなくてはならない点が、単純な新規AI導入と大きく異なる点ですね。
榎木
2000年の介護保険の大改正から3年ごとに色々なサービスが追加されたり、介護事業所がとれる加算が増えたり、計算方法が変わったりと、改正のたび様々なプログラム改修が必要になりましたが、遡った過去の請求にも対応が求められるので、前回の改正の状態も残しつつ、新しい改正も反映していかなければなりません。そのため非常に複雑なシステムになってしまいます。
川口
前を引き継ぎつつ、新しい機能を付加していくのは難易度が高いですよね。
板坂
当社の製品は色々な所から色々なことができる故、お客様が迷うことも多かったため、お客様がやりたいことを入力すれば必要な画面が即座に立ち上がる仕組みを作りました。お客様は事務作業が楽になり、当社もコール数が減るWin-Winの関係になるようにという想いでした。この難易度の高い課題をクリアするためには、御社のQlofune(クロフネ)の力が大きかったです。スモールスタートとスピーディなデータ更新、ナレッジの蓄積による進化が、私たちのニーズにピッタリでした。
hardship ニーズと期待に応える
川口
今もご苦労はあると思いますが、立ち上げ当初は相当大変でしたか?
板坂
それはもう紆余曲折ありましたが、AIを使うのに一番重要なのがナレッジだということにようやく最近気づきました。いくらシステム構築しても、ナレッジがなければお客様のやりたいことをサポートできません。特に2018年4月の介護保険制度と障害者支援法と医療保険のトリプル改正時は本当に大変でした。トリプル改正でお問い合わせも急増する予測でしたので、そこをターゲットに御社と共にシステム開発を進めていきました。
川口
改正内容の確定は発表直前のため、開発スパンが極端に短く大変でしたね。
榎木
助走期間が短い中でシステムやコールセンターのQ&Aも作成しました。
板坂
請求は翌月10日までに国の提出義務があるので、改正後の請求、5月10日直前は現場は大変なことになっていました。ここはマンパワーだけでは到底対応しきれないので、AIでの対応は不可欠でした。
榎木
一方、国への請求、利用者への請求というものは、決して間違えが許されないシビアなところなので、AI化に踏み切るにも勇気がいりました。
また介護の現場はとても忙しいので、たとえ業務が楽になると分かっていても、新たなものを導入すること自体がハードルでした。その意味においても、AIの導入は業界でも先進的な取り組みといえます。ただ電話で確認したいというニーズはどうしてもあるため、コール数は単純には減りませんでした。こうした導入環境のため、馴染むまで時間はかかりますが、AI利用者も確実に増えているので、そこには大きな価値があると思っています。
川口
でも役員や社内の中で「AIを導入してもコール数が減っていないじゃないか」というご指摘はあったのではないですか?
榎木
それは凄くありましたね。コール数の抑制にAIは確実に寄与していると思っていますが、システム自体に不具合があった場合などの外的要因によるコール数の増加やお問い合わせの質や難易度もあるので、単純に数字では計れないところがあります。それとAIであれば何でもできるという先行イメージとの乖離があり、そこを説明するのにも苦労しました。
川口
そこはどの会社も同じだと思います。成果が見えにくい、成果まで時間がかかるものに先行投資するのには相当の理解が必要です。そういう時は将来的な展望も交えてお話されるのですか?
榎木
そうでうね、一番分かりやすいので、コストを計算して示します。具体的にはAI活用によるコールセンターの人件費削減コストを算出します。あと今後の展開を見据え、ビックデータ活用の足がかりとして、AIを使った情報収集の必要性も伝えています。
川口
個人的には介護分野はAIが一番活用できる場だと思っています。国に提出する書類、手続きなども多いので、そこはどんどん機械化することで負担を削減できます。これはこれからの日本にとって、とても大事な課題だと思います。
future その先、未来への展望
川口
10年後、20年後、この超高齢化社会において、今後の介護業界はどのようになっていくと思いますか?またそこで御社は、今後どのようなビジョンを持たれていますか?
榎木
介護業界全体についていえば、制度上、あまり大きくは変わらないとは思いますが、現場レベルでは職員不足からアジアを中心とした外国人の従事者がさらに増えると思います。技術面では、センサーやカメラを導入したIOT化が加速していくと考えています。ただ介護の現場では、人員配置基準との兼ね合いもありますので、法整備も含めた継続的な擦り合わせがますます必要になってくると思います。
川口
その中で御社は、今後どのようなビジョン、展望を持たれていますか?
榎木
現場レベルでいえば、AI化をさらに推し進めて、介護日誌から手続き等に至るまで機械化を進めていきたいですね。本来すべきヒューマンケアに注力できる環境作りのサポートが、今後の私たちにとってさらに大事になると思っています。また当社に集積したビックデータを活用し、やるべきことを事前に予見し、ナビゲートすることによって、介護自体のハードルを下げていければと考えています。
川口
御社は介護業界におけるAI化、IOT化のパイオニアとして、ディファクトを作っていける会社だと思っています。当社も今後も先進的な試みを共に手探りで進めていけるパートナーとしてサポートを続けてまいります。
対談から 〜成功への学び〜
  • AI導入の本来的な目的は、業務のサポートであり、機械でできるところは機械に任せることで、本当に人間がすべきことに注力できる
  • AIを使うのに一番重要なのはナレッジ。テクノロジーがあってもナレッジがなければ、お客様のニーズを満たすことはできない
  • AI導入には各社でその前提条件が異なるので、事前にどのような要件を満たすAIエンジンが必要なのか明確にしておく
  • AI化の推進によりビックデータが集積され、それが次のビジネスにつながっていく